鎮魂。

 航空史上最悪の惨事と言われる、日航ジャンボ機墜落事故から20年を迎えた。テレビ等でもさまざま特番が放送されたりしているが、事故を風化させないために、もう二度とこんな悲惨な事故を起こさないために、事故の真実を認識すること、多くの人に伝えていくこと、それが大事なんじゃないかなと思う。
 戦争、とりわけ原爆なんかでも同じことが言えると思うが、何もしない限りその事実は年月の経過につれて人々の間から忘れ去られ、風化していく。そこで、事件の事実、悲惨さを訴えて行くことが必要になるわけだが、それは「これだけやったからもう十分だ」と言うものでは決してない。情報を受ける個々人からすれば「同じことを何回も・・・」とウザがられることもあるが、絶えず時間が経過し、世代が入れ替わっていくことを考えれば、その事件・事実を知らない人は絶えず発生するのである。そういう人たちに向けて絶えず情報を発信していくこと、つまり、ウザがられようが何回も何回も事実を伝え続けていくことが必要なんだと思う。
 航空に限らず、JR西日本の尼崎事故に象徴されるように、交通機関の安全に対する意識が問題視されている。私自身はJALカードを所持して、年に何回かは飛行機に乗り、その時はJALを利用するJALびいきである。だからこそ、最近のJALの不祥事続きは正直悲しい。自分が見る限り、客室乗務員とか現場の方々は一生懸命頑張っていらっしゃる。経営陣がどう現場の努力を生かし、安全がすべてに優先する、風通しの良い組織にしていけるのか。そこにかかっていると私は思う。
 この日にあえて言う。「頑張れ、JAL。」 遺族をはじめ、多くの人の安全への思いを無駄にしないために。