2006年度税制改正大綱を語る。(その2)

分離課税等に係る個人住民税の税率割合等

 分離課税等に係る都道府県分と市町村分の税率割合等を、税源移譲後の道府県民税(4%)と市町村民税(6%)の割合に合わせ、次のように改める。
イ 土地、建物等の長期譲渡所得
  道府県民税 1.6%→2%  市町村民税 3.4%→3%
ロ 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得
 (イ)譲渡益2,000万円以下の部分
  道府県民税 1.3%→1.6%  市町村民税 2.7%→2.4%
 (ロ)譲渡益2,000万円超の部分
  道府県民税 1.6%→2%  市町村民税 3.4%→3%
ハ 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得
 (イ)譲渡益6,000万円以下の部分
  道府県民税 1.3%→1.6%  市町村民税 2.7%→2.4%
 (ロ)譲渡益6,000万円超の部分
  道府県民税 1.6%→2%  市町村民税 3.4%→3%
ニ 土地、建物等の短期譲渡所得
  道府県民税 3%→3.6%  市町村民税 6%→5.4%
 ただし、国等に対する譲渡については、道府県民税1.6%→2%、市町村民税3.4%→3%
ホ 株式等に係る譲渡所得
  道府県民税 1.6%→2%  市町村民税 3.4%→3%
ヘ 上場株式等に係る譲渡所得
  道府県民税 1%→1.2%  市町村民税 2%→1.8%
ト 先物取引等に係る雑所得等
  道府県民税 1.6%→2%  市町村民税 3.4%→3%
チ 土地の譲渡等に係る事業所得等
  道府県民税 3%→4.8%  市町村民税 9%→7.2%
リ 肉用牛の売却に係る農業所得
  道府県民税 0.5%→0.6%  市町村民税 1%→0.9%
ヌ 道府県民税配当割、株式等譲渡所得割の市町村に対する交付割合
  100分の68(優遇税率適用の間は3分の2)→5分の3
ル 配当控除における控除率
  道府県民税 0.8%、0.4%、0.2%→1.2%、0.6%、0.3%
  (課税総所得1,000万円超の部分は0.4%、0.2%、0.1%→0.6%、0.3%、0.15%)
  市町村民税 2%、1%、0.5%→1.6%、0.8%、0.4%
  (課税総所得1,000万円超の部分は1%、0.5%、0.25%→0.8%、0.4%、0.2%)
ヲ 外国税額控除における控除限度額
  道府県民税 国税の控除限度額の100分の10→100分の12
  市町村民税 国税の控除限度額の100分の20→100分の18
ワ 配当割額又は株式等譲渡所得割額の控除における割合
  道府県民税 100分の32(優遇税率適用の間は3分の1)→5分の2
  市町村民税 100分の68(優遇税率適用の間は3分の2)→5分の3
(注)上記の改正のうち、イからリ、ル及びヲに係る改正は、平成19年度分以後の個人住民税において、ヌに係る改正は、平成19年8月交付分以後の交付金について、ワに係る改正は、平成20年度分以後の個人住民税において適用する。

 長いですが、要は住民税関係の税率が全部変わります(泣)。住民税の中での納税者の負担が変わるわけではありませんが、都道府県と市町村の取り分の割合が変わるということです。
 都道府県民税と市町村民税は、ひっくるめて市町村が課税させてもらって、市町村に納められた都道府県民税分は、市町村が都道府県に納めるという形をとっています。要するに、都道府県は自分の所に入ってくる住民税の課税・徴収事務を市町村に丸投げして、お金だけ入ってくるという結構おいしいことをやっているわけです。なのに、税源移譲という名目で都道府県の取り分が増えてしまう。実際に納税者に増税とかさまざまなことを理解してもらって、税を集める努力をしなきゃならないのは市町村なのに。結構理不尽な感じです。